この記事を読む前に、ひとつだけ心に留めて欲しい事がある。

文中で体罰を美化・肯定しているかのような書き方をしてしまうかもしれないが、それが主題ではない事、本当に伝えたい事では無いことを分かって欲しい。

そんなわけで、俺の中学にいた2人の体罰教師の思い出と、オトナになった今思うことを綴っていく。

久保先生(当時38歳・女・英語)

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中学1年生の時の担任、久保先生(仮名)に何度張り手をもらっただろう。

授業中に私語をしていたら張り手。マンガを読んでたら張り手、マンガ没収。居眠りしていたら机に蹴りを食らわし、衝撃で起きて顔を上げたら張り手。

課外授業で街に出た時に、コンビニでアイスを買い食いしながら歩いてたのがバレて、駅で通行人が行き交う中強烈な張り手をもらった。

まぁ、理由もなく殴られた事はない。必ず俺が何か良からぬ事をしてからの体罰だ。

藤田先生(当時40歳・男・体育)

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中学2年の時に赴任してきた体育教師兼生活指導の藤田先生(仮名)は、体罰教師の体現者とも言える存在だった。いかつい顔面、大柄でガッチリした身体、デカイ声、戦闘服はジャージ。

久保先生も相当な体罰教師だが、言うて女だし攻撃も張り手メイン。藤田先生のそれとはワケが違った。

なにせ、グー。

オッサンとは言え筋骨隆々の体育会系の権化みたいな男のグーパンチ。しかも単発じゃない。

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倉庫の裏で喫煙がバレた時は死を覚悟するくらいの連打をもらった。顔はアザだらけになったし、口の中も切れて血を吐いて、フィニッシュのみぞおちへの蹴りで呼吸困難に陥り「ヒュー!ヒュー!」ってなった。

この教師、赴任前も赴任後も何度も何度も体罰で謹慎だの減俸だのの処分を受けている。

とんでもない暴力教師だ。

学級崩壊

この2人の体罰教師の体罰の結果は全く異なるものになった。

久保先生のクラス、すなわち中1の時の俺のクラスは学級崩壊した。

理由は簡単で、久保先生の体罰は限定的なもので、体罰できる相手とできない相手がいたからだ。

以前も↓の記事で書いたことがあるが、俺の地元は地方都市の郊外に位置する、まぁ民度の低い田舎町。




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当然、DQNな親に育てられたDQNな子もわんさかいた。

俺も良い生徒とは言えない存在だったのは確かだが、もっと酷い奴はいくらでもいた。でもその手の本物の輩に久保先生は手をあげれなかった。

更に言えば、体罰を良しとしない親を持つ生徒にも手をあげれなかった。

俺の親や、俺が仲が良かった友達の親は「ウチの子が馬鹿な真似したら厳しく指導してください」というスタンスで体罰も度を超えなければ良しとしていたから、久保先生も体罰ができた。

はじめのうちはそれで良かったのかもしれない。

見せしめに俺や俺の友達(親が体罰公認)をシメて、クラス全員に威圧感を与える。統率がしやすくなる。

けど、やっぱり馬鹿な子供でも一年も経たない内に気付くんだよね。

この先生は僕らには手を上げれないんだと。アイツら(俺や俺の友達)がスケープゴートになってくれるんだと。

そうなったらもうお終い。

「決して良い生徒とは言えない生徒」の俺たちより遥かに悪い生徒がのさばるようになる。でも久保先生は彼らを殴らない、殴れない。
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当然、俺達の不公平感も爆発する。

「先生、どうしたんだよ!俺らを殴る時みたいに殴ればいいじゃん!」

街自体の民度が低かったので決して久保先生のせいだけではないが、もはや学校が学校じゃなくなっていた。


平定・治安維持

いじめ(傷害)、カツアゲ、飲酒、喫煙、窃盗、器物破損、無免許運転、シンナー・・・

今にして思えば学級崩壊どころの騒ぎではない。地元の中学校は伝統的に無法地帯と化していた。

が、俺が中学2年の時にそんな状況が一変する。

奴、藤田先生が赴任してきたからだ。

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藤田先生は前述の通り、とんでもない体罰教師であり、”誰にでも”容赦なく鉄拳を振るった。DQNのリーダーだろうが、親が面倒くさい奴だろうが、理論武装タイプのオタクだろうが平気で殴った。

街で万引きをして捕まった先輩は、連絡を受けて駆けつけた藤田先生にその場でフルボッコにされた。次の日、顔が変形してた。遠のく意識の中、店員が二人がかりで身体を張って止めてくれたらしい。

モンスターペアレンツと評判のうるさい親を持つ同級生は、休み時間が終わってもカードゲームをやっていて強烈な蹴りを何発もらった。当然親が大騒ぎして、藤田先生は処分を受けた。新聞の地方欄にしっかりと載った。

でも藤田先生は止まらなかった。処分などなかったかのように通常運転で体罰を継続した。

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もはや学校は無法地帯ではなくなっていた。街で悪さを働く連中が更生したかは定かではないが、とりあえず学校は平和になった。校内の悪さはなくなり、授業が成立するようになった。

ひとりの教師の暴力により平定され、治安が保たれ教育機関としての機能を取り戻した。

公平感

そんなある日、今も忘れられない、そして藤田先生に対する考えを変える契機となる事件が起きた。

普段の体育の授業は男女別で行われており、男子は藤田先生、女子は別の先生が担当していた。

だが、この日は体育祭の前の予行演習的な授業で男女混合授業だった。女子一同は認識が甘かったのだと思う。男子は軍隊のように直立不動で整列して藤田先生の説明を聞いていたが、女子の一部が私語をしていた。

「うわぁ・・・あいつらよく私語できるなぁ」とか思ってたら、案の定「ウォイゴルァッ!」と野獣の鳴き声に似た藤田先生の声が響き渡り、その刹那女子数名を殴った。

流石にグーではなかったが、張り手、張り手、ローキックと立て続けに3人。

体罰を受けた女子は皆泣いてた。

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そのうちの一人はミナちゃんという娘で、生徒会長でテニス部のキャプテン。

真面目タイプの図書室にいるような大人しい娘ではなく、活発でコミュ力に溢れ、それでいて文武両道、ルックスも良し。男からも女からも人気者で教師ウケもいい。

そんな完璧な存在だったが、藤田先生はなんら躊躇する事なく体罰を食らわした。

グーとパー、ミドルキックとローキック、連発と単発の違いはあったが、DQNやオタクや俺を殴る時と同じように体罰を食らわせた。

俺は藤田先生が嫌いだった。窃盗や器物破損と違って被害者のいないタバコ一本でボッコボコにされたし、暴力が怖いから嫌々従ってるだけだった。学校の皆も同じだったと思う。

けど、やっぱり馬鹿な子供でも一年も経たない内に気付くんだよね。

この先生は皆に手を上げるんだと。公平な教師なんだと。

馬鹿な俺やDQN連中でも理解できる。
自分たちを殴る事と、ミナちゃんを殴る事は全然違う。

社会に生きる普通の大人ならその違いを考慮する。久保先生をはじめ、今まで出会ったどの教師もそこら辺はしっかり区別、いや差別していた。

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でも、このイカれた暴力教師は公平に裁く。
その公平さは「ダメな生徒」「悪い生徒」と呼ばれる生徒の方に大きく響いたと思う。

ベストではないけれど

俺は

・口頭での注意で改善しない
・他の生徒の権利を侵害する
・教育現場が聖域化している(警察介入がスムーズになされない)

の条件を満たしている場合、体罰もやむなしと思っている。



高校や大学には停学や退学があり、企業には解雇がある。それを飛び越える社会悪は刑務所に隔離される。

でも何故か公立中学校に限り、隔離措置は殆ど無い。そして、警察も殆ど介入しない。

警察が警棒や拳銃で武装し、時にそれらで攻撃するのと同じ理屈で、学校の治安も時には暴力を用いてでも守った方がいい。

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藤田先生がやろうとしていたのは、そういう事だと思う。

ただ、口頭での注意をすっ飛ばしていきなり体罰食らわせるし、他の生徒の権利を侵害しているとは言えない悪さでも体罰を食らわせるのはどうかなとも思う。

決してベストな教師でも指導でもなかったけど、当時のあの学校にとっては総合的には良かったと思うし感謝している。少なくとも、他のどの教師よりも。