更新の間が空いてしまったが、ずっと書きたかった事がある。
この記事のひとつ前の記事「社会の底辺で歪んだ正義感を押し付けられた話」についたコメントで、自分という人間の未熟さを痛感した事だ。

読むのが面倒臭い人の為にかなり簡単に書くと、大学四年生の頃内定~卒業までの期間にしていたバイトでフリーターのバイトリーダーに「もっとこのバイトに全力投球しろよ」と詰められ、それに違和感を覚え少し揉めてしまったと言う話。

もちろん、俺は無気力だった訳でも過度に手を抜いていた訳でもない。

まぁ、世間でもよくある「無駄に意識高いバイトリーダーうざいよね」みたいな話だ。

正直言ってその記事を書いた時は「あーいるいるwこの手の奴w」みたいな共感や「こう言う連中がブラックを支えてるんだよなぁ」みたいなコメントを期待していたし、事実そんなコメントもそれなりについた。

でもそんな中に一つ、少し毛並みの違う、俺の心を撃ち抜いたコメントがあった。

13. 名無しさん 2017年11月12日 11:29
そーゆー人って、
役に立たなくても 君がここに生まれて来てくれただけで嬉しいんだよ。

って、親に肯定されて育ててもらえなかったんじゃないかな。

他人やら企業やらから不当に扱われた時、「じゃあ結構です。他に行くんで。」って突っぱねられる人は、幼少期にあるがままの自分を受け入れてもらえた経験があって、それが心の土台にある人だと思う。

普段からありのままの自分の価値を低く感じてる人が、
更にあらゆる事で平均以下の能力しか持って生まれ無かったりしたら、もう「頑張る自分凄い!」って陶酔して生きてくしか、自分を認めてあげる方法が無いんだよ。
バイトリーダがそんなお気の毒な人だと思えば少しスッキリしないかな?
 
このコメント、背筋が凍るくらいに正しい。
俺もあまり詳しく知らないが、件のバイトリーダーの家庭は荒廃していた。両親とゴタゴタがあって家出してそのバイト先に流れ着いていた。まぁ、まともな家庭環境ではない。

そして、仕方無い事ではあるがバイトリーダーの能力はやっぱり低い。
どんな事情があるかは分からないが、普通に考えればバイトリーダーやってる場合じゃない。
でも、そんな人だからこそバイトリーダーと言う地位、勲章に誇りを感じていたのだろう。

リーダーは人生をかけてそのバイトに取り組んでいる。卒業までの小遣い稼ぎとしか捉えていない俺のようなアマちゃんは許せない・・・

論理的に考えれば、俺はそれほど間違ってはいないと思う。今でもリーダーが歪んだ価値観を押し付けてきたと思っているし、そんな奴はブラック企業の土台を支える社会悪とさえ思っている。

だけど俺のリーダーに対する思いは「ムカつく!」以外の何物でもなかった。
そんなムカつきを癒やすこと、自身を肯定する為に「正しさ」を追求することに終止し、リーダーの痛みにまで考えが及ばなかった。

決して見下している訳ではない。自分にも似たような経験がある。
自身に才能の無い分野で努力に酔い、そんな努力を他人や後輩に強要こそしないまでも求めていたフシがある。リーダーは、それをバイトでやっていただけの話なのだ。

第三者的な視点だからそれができると言えばそうなのかも知れないが、このコメントをくれた人の素晴らしい点は論理と感情の両面で正しい点だと思う。

リーダーがそのような行動をとってしまった原因の分析も見事だが、それを理解できない俺を無能扱いするでもなく語りかけるような文体で諭している。

正論は、その正しさ故につい感情面での配慮を忘れてしまいがちだ。でも、この人はそれを忘れない。
もちろん俺も「どんな伝え方であれ論理的に正しければ認めよう」とは思っているが、それはある意味自分が感情面での配慮をサボる為の口実なのかもしれない。

心に届いて初めて正論。
正しい論理も相手が感情的に受け入れられなければ何の意味も成さない。
正しさほどキチンと伝えたいし、伝わって欲しい。

だから、もう少し優しい人になろうと思った。
もう少しだけ、人の心に届く文章を書けるようになろうと思った。