ある男性を紹介する

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顔は、よく男前と褒められる。

身長は平均程度、体型はかなり細身。運動神経バツグンでスポーツはなんでもソツなくこなす。

学歴はそんなに良くないが大卒。誰もが名前を知ってる大手企業に勤務。

いつも家族の為に必死で働き、持ち前の根性と努力でメキメキと出世。

高貴な暮らしではないが、嫁は専業主婦で、家族に経済的な苦労は一切させた事がない。

中流と呼ばれる層では、経済的に恵まれている部類と言える。

ハードな日々にも関わらず、嫁と息子をしっかり愛し、家族との会話や休日の家族サービスを疎かにしない。

職場や近所の人間とも仲が良く、ユーモアもあり、馬鹿をやって笑いを取る事もしょっちゅう。

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・・・だけど、怖い。暴力は振るわないが怖い。家族も震え上がるほど怖い。怒らせたらマズい。

理不尽な怒りではないし「そりゃ怒るわな」って時に怒るのだが、それが凄く怖い。

そんな親父が大嫌いだった。

思春期の頃は、殺意を覚えるくらい嫌いだった。

よその親父が羨ましかった。アイツじゃなきゃ誰が親父でも良いと思ってた。

なんであんな奴と結婚したんだよ!オカンも嫌だろ!?

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ある日、こう聞いてしまった。

もちろん、オカンも親父のそんな所は嫌がっていた。

だけど、こう切り返されて俺はぐうの音も出なかった。

「そこが直ったら、ホントに完璧人間になっちゃうでしょ(笑)」

・・・その通りだった。

いや、そりゃ親父より稼いでる人はゴロゴロ居る。だけど、そこはどうでもいい。

大事なのは親父が「俺にとっての完璧な親父」の条件を、1つを除いて全て満たしていると言う事だ。

今、オトナになった俺を客観視しても親父より遥かに劣る。

親父ほど頑張ってもないし、社会人としての能力も負けてるし、人間的にも優れてない。

隣の芝生は青く見える

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よく言われたもんだ。

「学費全部出してもらっていいなぁ」
「親父さん面白い人でいいなぁ」
「たくさん外食や旅行行けていいなぁ」
「家族が仲良くていいなぁ」

だけど、俺はそんな事より怒っても怖くない親父を求めていた。

経済力がそんなに無くても、つまらん親父で冷めた家庭でも、家族でのイベントが無くても、怒っても怖くない親父のほうがいいと思ってた。

きっとそれは俺がその程度は当然だと思っていたからだ。

物心ついた時から当たり前だった。当たり前だったから感謝するとか、好きになる事ができなかった。

良い所にピントを合わせれば・・・

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悪い所が無い人を探す事はかなり難しい。

そして、距離が近いとどうしても悪い所にピントが合いやすくなる。

そんな時は良い所にもピントを合わせて冷静に考えてみよう。

そりゃあ、距離が近い訳だから、悪い所のせいで迷惑を被ったり嫌な想いが強くなったりするし、全部が全部好きだからと言って許せるものではない。

だけど、良い所次第じゃ許せるようになる事も多い。

今でも親父の怒った時の怖さは変わらないし、そこに関しては心の底から嫌いだ。

だけど、血を吐くような想いでハードな仕事をこなし家族を支え、俺を愛してくれた。一生懸命育ててくれた。

だから、好きだ。

親父の息子で良かったと本気で思ってる。
 

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