自分はこんな人間ですよ!

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人間同士が打ち解けようと思ったら「自己開示」がある程度必要だ。

だから、新しい環境に飛び込む時は自己紹介なんてモノがあるのだが、これがまた恥ずかしいんだよね。

緊張感から、無難なテンプレ自己紹介で速攻片付けてしまう事が多い。

損だと分かっていながらも、あのプレッシャーに打ち勝てない。

でも、自己開示の重要性に気付いた「ある出来事」から俺は積極的に自己開示をするようになった。

今日は、その出来事を少し語ろうと思う。

大学時代のバイト先が魔境

とにかく金が欲しかった俺は、高時給の肉体労働に挑戦する事にした。

スポーツを辞めてなまった身体も鍛えれるし一石二鳥だ!なんて思ってた。

甘かったね。そのくらい想定できなかった自分も馬鹿だが、まぁ人種が違ったよ。

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休憩室のドアを開けてメンバーと初対面の時、俺は本気で震えた。

9割近く、いかつい連中だった・・・停まってた単車や車で薄々気付いてはいたが・・・

地元とかスポーツやってる中で、ある程度そう言う人種には免疫があるつもりだった。

だけど、モロに「それ系のグループ」に飛び込むのは人生初の出来事だ。

俺もそんなに真面目な人種では無いが、そこまで振り切れたアレではない。

自分で言うのもなんだが、パッと見は普通の学生だ。

虎の群れに迷い込んだハムスター状態だった。

最悪のファーストコンタクト

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俺は喋ることも好きだし、初対面の他人を恐れる感覚もあまり無かった。

だけど・・・流石にこの状況は初めてだ。

全員がメンチ切ってるように思えた。俺を敵だと認識してるように見えた。

「あっ・・・新しく入りました。よろしくおねがいします。」

よく覚えてないが、ロクに名前も名乗れなかった気がする。

俺の本能が警報を鳴らしていたのかもしれない。

和やかな歓迎ムードなど皆無の状態で、そのまま仕事に入る事となる。

ひとり蚊帳の外

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仕事自体は、思ってたほどキツくは無かった。

確かに少々肉体は疲れるが、給料も高いし割のいい仕事だ。

だが、人間関係は地獄そのものだった。

最初の内は、特殊な作業やコツがいる作業等でミスが出る。

社員や先輩から注意を受けるのだが、これがまた怖い。

別に怒鳴ったり汚い言葉を使われてる訳じゃなかったが、顔と雰囲気が怖いんだ。

更にキツかったのは、休憩時間。

皆が楽しそうに会話をする輪の外で、俺は黙々と飯を食って雑誌を読んでいた。

仕事してる方がまだ楽だった。

別に、皆が俺を攻撃したり冷たくしてる訳ではない。

声をかけてくれる人も居た。俺もそれに応じてた。

だけど、もう一歩、自分から踏み込む勇気が出なかったんだ。

契機
 
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恐怖の世界に飛び込んでから二週間ほど経過したある日、仕事終わりにリーダー格の先輩が麻雀のメンツを探していた。

「えーお前今日デートかよ!?麻雀どうすんだよ!」「いや~ホントスンマセン!」

麻雀を打つには、4人集めなければならない。

もう、読めたと思うが、俺に声が掛かった。

「あ、そうだお前麻雀打てるか?」

打てた。そこらの人間より麻雀を打ち込んでる自信はあった。

低俗とされる趣味には大抵手を出してきた俺だが、麻雀はその中でも一番愛した趣味だった。

「ハイ。麻雀大好きです。」
「おおおおおおおっしゃああああああっ!!今から行くぞ!」

意外なまでの好反応だった。よっぽど麻雀を打ちたかったのだろう。

別の先輩が「いやリーダー最近麻雀覚えてさ。毎日打ちたい打ちたいってうるさいんだよ。カモっちゃっていいよ」と教えてくれた。

即座にリーダーも「お前、手加減いらねーからな!ガチンコな!」と釘を刺してきた。

お互いの誤解が解けた夜

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大好きな麻雀が、俺にチャンスを与えてくれた。

大好きな事をしている時、自然と心は開かれる。

そりゃ、緊張感はあったが今はプライベートな遊びの時間な訳だし、思い切り楽しもうと踏ん切りがついた。

テーブルゲームなだけあって、雑談も多い。

ファーストコンタクトの時に、雰囲気に圧倒されてできなかった「自己開示」がどんどんできた。

その中で、俺も3人も気付いたんだと思う。

「なんだ、こいつ(こいつら)良い奴じゃないか」

皆、誤解していたんだろう。

俺は彼らを「一般人と住む世界の違う怖いヤンキー」と認識していた。

彼らは俺を「パンピーのシケたネクラ野郎」と認識していた。

確かに、お互いの視点から見ればそうかも知れない。

だけど、人間の根本的な部分はそんなに違わない。

実際にやるかやらないか、どのくらい気合いが入るかの違いはあれど、俺にも「カッコイイ単車や車に乗りたい」と言う気持ちはあるし「スピードのスリル」は理解できるし「ギャンブルの快感」も嫌という程理解できる。

「湘南純愛組!」や「ろくでなしBLUES」のようなヤンキー漫画も大好きだ。

仲間の中には前科者も居たし、悪さをして退学を経験した奴も居た。

だけど、俺に迷惑がかかる事は全く無かったし、俺の知る限りの範囲では法に触れていない。
(違法改造や速度違反はあったかも)

その後

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結局、その夜の麻雀は俺のバカ勝ちだった。

正直、馬鹿みたいに麻雀を打ち込んできた俺からすると楽勝だった。

だが、あまりにも鮮やかな勝ち方だったので(7回中5回トップ、2回2位)初心者のリーダーも、その他2人の先輩も俺をやたらと認めてくれた。

「お前マジで牌の扱い方プロいな!」
「なんで俺の待ち(得点を取る為の狙い)が読めるんだよ!」
「なんでお前だけやたら振らねぇ(失点しない)んだよ!」
「どうやったらそんな強くなれんだよ!」

「お前、めっちゃ面白いじゃねーか。仕事の時マジメ過ぎだろ!」
「えっ、そんなはっちゃけキャラなんスか?」
「大学って面白いか?俺も行きてぇなぁ・・・どうやったら行ける?」
「お前の頭じゃ無理だよ。顔もアウトだわ。」
「センター試験っての受けたのか?」
「お前電車で来るのダルくねーか?型落ちの一台やろうか?」

それからは、バイト先が地獄から天国へと変わった。

大学時代のあのコミュニティは、異文化交流のような新鮮な体験の連続だった。
良い意味で凄く男臭い、人間臭い環境だった。

偏見や先入観はあって当然だと思う。

だけど、舐めてみないと本当の味が分からないと言う事だろうか。

その程度、少々苦くても死にゃしない。


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