どんな親にどんな育てられ方したらこうなるんだ?

世間では今、酒鬼薔薇聖斗本人が綴った「絶歌」が注目を集めている。

賛否両論ある中で俺はあの本に興味を抱き、発売してすぐに購入し読んだ。その感想は、また今度改めて書く。 

その後、彼の親への興味が沸いてきた。

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事件から2年後に書かれた本で、ネットのレビューには星1つと痛烈な批判がズラリ。

あれだけの猟奇殺人事件を犯し、日本中を震撼させた酒鬼薔薇聖斗の親の本だ。それも当然だろう。

しかし、感情論が先行し過ぎているような気もする。決して俺は酒鬼薔薇聖斗を肯定したい訳ではない。

彼の犯した罪は絶対に許されるものではなく、当時の少年法、いや、現在の少年法にも納得がいかない。ハッキリ言って、死刑にすべきだと思う。

ただ、俺は「どんな親にどんな育てられ方したのか」を知りたいだけだ。出版の是非についてはここでは触れない。


氷のように冷えた家庭ではない


数時間で一気に読み終えた。

まず、事件当時、よく言われてたし俺もそう思っていたことだが

酒鬼薔薇聖斗は愛情の無い、現代的で冷め切った機能不全家庭が生み出したモンスターではない。

いや、結果的にそうなってしまったのかもしれないが・・・

この両親は「勉強勉強!勝ち組になれ!」と言うガチガチの教育はしていない。

かと言って「男はヤンチャでなんぼや!」と言ったヤンキー気質な教育でもない。

「興味のある事、打ち込みたいと思える事を頑張れ、人様に迷惑かけたらアカン」と言った割と温かみのある教育方針だ。

家族での会話もそれなりにあり、食事を共にし、 誕生日やクリスマスには父親が手作りのプレゼントを渡し「気持ちが大事なんだぞ」と教え、母親がお菓子を作り、友達を家に招き祝う。

息子が卓球部に入ったら、卓球台を購入し息子と卓球に興じる。
愛犬や亀を飼い、命を育てる経験もしている。どこにでもある風景だ。

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確かに父親は仕事で忙しく、子供と接する時間はやや短かったようだが、そんなのはどこの家庭にもあることだ。

この両親は、子供に対する愛情はしっかりと持っている。

そして、猟奇殺人犯の親として自責の念も持っている。
遺族に対する謝罪の言葉も嘘偽りではない本心だろう。 

取り調べや裁判の際に酒鬼薔薇聖斗は散々、命を軽視するような冷徹な発言をしていたが、この両親はそんな人間ではない。


だが、確実に問題アリ

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確かに、愛は人を盲目にさせる。我が子を信じるあまり、子供に騙されてしまう事もあるだろう。

俺も思春期にはやっちゃいけない事をたくさんした。親を上手く騙してバレなかった事もたくさんある。

でも、それにしても、限度ってモンがあるだろう。

・万引き常習犯
・学校で何度も暴力沙汰(事件の前は腕時計を拳に巻きつけて殴り友達の歯を折りナイフで脅した)
・ムカつく奴の自転車のタイヤをカッターでパンクさせる
・ムカつく奴の靴を燃やす
・斧やナイフを隠し持っている(発見後、没収)
・床下から動物の死骸

少なくともこれらの事実を両親は把握している。

この本には書かれていないが、近隣住民も酒鬼薔薇聖斗の動物虐待を以前から把握しており、母親に忠告している。

・・・さすがに、ヤバいって気付かね? 

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もうこれ、普通のガキじゃないだろ。どう考えても異常者。

「大人しくて静かな子だったのに・・・」とかそんなレベルじゃない。非行満開状態じゃないか。
 
万引きは決定的なものだから言い訳しようがなかったようだが、喧嘩や凶器の所持、動物の死骸等に関しては息子の言い訳や嘘にコロッと騙されている。

息子の言い分を信じ、忠告してくる教師や近隣住民に反論する始末。

全て影でコッソリとやられたならともかく、ここまで色々異常な行動を把握してたらかなり危機感を覚えるはずだ。

 ・・・厳しく汚い言葉になってしまうが、一言で言うなら頭が弱い。

一応、脳の検査を受けさせたり児童相談所に連れて行ったりしてたようだけど・・・うーん

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酒鬼薔薇聖斗の犯行声明文に「愚鈍な警察」と書かれていたが、これが両親にも当て嵌まる気がする。

ある意味、一番身近な警察である両親がここまで警察機能を果たしていないと、さぞ動きやすかっただろう。

違和感だらけの母親

俺はこの母親、なんかズレてるなぁ・・・と度々感じた。

被害者遺族の本に書いてあったんだが、被害少年が行方不明で近所の皆で捜索している時も、被害者遺族の家で電話番をやりつつたまごっちをしていたそうだ。

息子が犯人とまだ把握してない時とは言え、首と胴体を切り離され、ナイフで顔面をメチャメチャにされ変わり果てた遺体を見れない被害者遺族に「難儀やなぁ、顔くらい見たりぃな!」と言い放ったそうだ。

・・・多分、嘘を嘘と見抜けない、あまり人の気持ちや考えを察することができない人なんだと思う。

 何度も万引きで厄介になり、暴力事件を起こしまくってる息子が、ナイフや斧を隠し持っていて、床下から動物の死骸。 近隣住民から動物虐待の報告も受けていた。

"つまりそう言うこと"なんだが、本気でそれがわからなかったんだろう。

この母親に似た人物

以前、似たような人に出会った事がある。

悪い人ではない。良く言えば素直で正直。傍若無人で横暴な訳ではない。人を騙したり、利用したり、器用に生きれないタイプの人だ。

ブルーハーツのロクデナシって歌で「最低と人に言われて、要領良く演技できず、愛想笑いも作れない」って歌詞があるけど、まさにそんな感じ。

知らず知らずのうちに人を傷つけ、誤解され、嫌われてしまう。

この母親もまた、人の親らしい愛情は確かに持っているが、それを上手く表現し伝えることができてなかったのではないだろうか?

素直で純粋だから、言葉の裏や微妙な表情の変化を読み取り、息子の嘘を見抜く事ができなかったのではないだろうか? 


俺には、彼を止める術がわからない

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ただ、この両親を責めるのは少し酷かも知れない。

酒鬼薔薇聖斗はあまりにも異常だ。
幼少期に弱い生き物の命を遊び感覚で奪うことは多くの男児が経験する事だが、大抵は成長とともにストップがかかる。

しかし、酒鬼薔薇聖斗は何故かそこに性的興奮を感じるようになってしまった。ナメクジや猫を殺したり、臓器を引きずりだすなどのグロテスクな行動や妄想で射精していた。

それが、一線を越えて殺人に発展してしまった。
 
思春期の有り余る性欲を自慰で発散するのは普通の事だが、彼の場合は殺害が性欲処理になるのだ。

身の回りに、セックスに相当する「殺害」ができる動物がそこら中に居た。抵抗力も弱く、何をしようが物言わぬ動物が・・・・
 
ナメクジ→猫→人間へと対象が変わり、殺し方の残虐性が徐々に高まっているのを見ても、 恐らく殺める対象が大きくなるほど興奮度が高まったのだろう。

そこまでアブノーマルなものではないが、俺にも性癖はある。でも両親には絶対言わないし、悟られない。誰もがそうだろう。

酒鬼薔薇聖斗は、自身の性癖があまりにも異常だと理解していた。

もし動物虐待がバレても、それが性癖と言う所までは知ることができるだろうか?知ったとして、止める事ができるだろうか?

通常の性癖に矯正できるだろうか?去勢・・・ってできるのか?


第二の酒鬼薔薇聖斗が育つ可能性はどこにでもある

酒鬼薔薇聖斗の育った家庭以上に酷い家庭環境はいくらでもある。しかし、こんなモンスターは殆ど育たない。

事実、長男と次男、三男で立場が違うとは言え、 同じ家庭で育った弟2人には異常性は見られない。

親の責任として管理責任や監督責任は当然ある。管理、監督能力が普通の家庭より低かったのも事実だろう。

この家庭にはモンスターが育ってしまう土壌があったと言える。
しかし、それはこの家庭だけではないのかもしれない。

そこらの家庭にも、もしかしたら俺の家庭にも、モンスターが育つ土壌があるのかもしれない。

たまたまモンスターが育たなかっただけなのかもしれない。そんな恐怖心を抱いた。


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